最近ランナーの方で膝が痛くて来院されるケースが多く見られるため、今回はランナー膝(ランナーズニー)について解説いたします。
ランナー膝とは、ランナーに起きやすい膝周囲の障害の総称で、鵞足炎・腸脛靭帯炎・半月損傷・膝蓋軟骨軟化症・膝蓋靭帯炎など、いろいろありますが、今回は急に練習量を増やしたときに起きやすく、ごく一般的な膝周囲の痛みについてお話しします。
よく見られるケースは、膝蓋骨の周囲で内側~上部~外側にかけて、ランニング時に痛みが出て、屈伸すると痛みが強くなる障害です。
原因は太もも前の筋肉(大腿四頭筋)の疲労により、膝蓋骨の正常な動きが制限されておきます。大腿四頭筋は、字のごとく四つの筋肉が膝の上部で合わさり、膝蓋骨を乗り越えて膝蓋靭帯となって脛骨(下腿の骨)につくため、大腿四頭筋の緊張が強いと膝蓋骨の動きを制限するというわけです。大腿四頭筋腱炎、膝蓋骨周囲の支持・軟部組織の炎症を伴う場合がほとんどです。
治療は、積極的に大腿四頭筋のストレッチをすることと、患部のアイシングをお勧めします。さらに、膝蓋骨周りのセルフマッサージも効果があります。それでも治らない場合は、鍼が大変よく効きますので、ぜひ一度ご来院ください。
関連リンク:
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下肢のアライメントとランニング障害