みなさん、人それぞれ大会に出る頻度が大きく違いますが、どのように年間のレースを計画すれば良い記録が狙えるのか、しっかりと理解されている方は少ないと思います。そこで、今回は私の経験と知識から、記録を狙うためのレース計画の考え方をアドバイスします。
まず、自分はどの種目で記録を狙うのか、また、どの大会で記録を狙うのかを決めます。例えば私の場合、12月の福岡国際マラソンと3月のびわ湖マラソンをフルマラソンで記録を狙う大会に位置づけていました。5000Mと10000Mは公認のトラックレースすべてで記録を狙っていました(年間を通して月に1~2回、夏場は無し)。ハーフに関しては、今のように近くで開催される大会が多くなかったので、記録を狙う意識はなかったです。
このように組み立てる理由は、5000Mと10000Mのタイムを上げながらフルマラソンにつなげるという考え方です。事実、5000Mと10000Mのタイムに比例して、マラソンの記録も伸びます。これは、年齢に関係なく言えることです。
ただし、大まかに「10代~30代」と「40代以上」のランナーでは比例率が違います。
「10代~30代」のランナーは、5000M・10000Mとタイムが良い割に、マラソンの記録が悪い。
「40代以上」のランナーは、5000M・10000Mのタイムが悪い割に、マラソンの記録が良い。
と言うことが、相対的に言えます(走歴によっても差が出ます)。
その理由として、若いうちは筋出力が大きくスピードが出るが、40代以上になるとスピードに比して筋持久力が高いという特徴があります。
その特徴から、若いうちは私がやってきた通りの頻度でスピードを磨き、マラソンを目指すなら徐々に距離を伸ばしていけば良い。一方、40代以上のランナーは、5K~10Kのロードレースをスピード練習として位置づけて若い人の半分くらいの頻度で出場し、ハーフ・フルマラソンのレースはより多く出場するというのが一番良いと思います。
ここで、よくあるご質問についてお答えします。
Q.レースは年間何回くらいがよいか?
年齢、走力によって違いがあるので何とも言えませんが、一般的にはフルマラソンとフルマラソンの間隔は2~3ヶ月あけるのがベストだと言われています(レース内容により変わる)。
ハーフとフルマラソンの間隔は最低2週間はあけたいところです。この間隔の裏付けは、すべて疲労の度合いなので、その点に注意しながら年間計画を立ててください。
Q.多少のケガでベストを狙えないのであれば、大会に出ない方がいいか?
この質問をよく受けますが、これはその人の価値観になります。大会を楽しみたいのであれば出ればよいと思いますし、記録を狙うのであれば出ない方がよいと思います。少なくとも私の若い時は、ベストが狙えない場合にレースに出るという選択はありませんでしたし、考えることもありません。ただし、ケガでなく調子があまりよくない程度なら、出場を検討します。
Q.100Kとかのウルトラマラソンは、フルマラソンに悪影響を及ぼすか?
この質問もよく受けます。人生で1回や2回のウルトラマラソンなら大丈夫だと思いますが、毎年ウルトラマラソンに出場することはお勧めしません。なぜなら、ゆっくり長く走るウルトラの筋肉の使い方やエネルギーの取り出し方と、フルマラソンでは明らかに違いがあるからです。
事実、フルマラソンでそこそこの記録を持ち、現在ウルトラマラソンで日本の上位で活躍している友人の言葉ですが、彼曰く「フルマラソンで記録を狙うなら、ウルトラはやめたほうが良い」そうです。スピードがでなくなるとか。トップアスリートの経験者が語るわけですから、間違いありません。