昨日、20Kの練習会の途中で、急な階段を上らなければならない場面があった。
ほとんどのメンバーは、呼吸が乱れ、歩きを余儀なくされたが、トレイルランナーのAさんだけは、いとも簡単にスイスイと駆け上がり、「凄い」という驚きより、「どうして?」という疑問が頭をよぎった。
それから、「何が違うのか」自分の頭をフル回転させて考えてみたところ、自分なりの答えが出たので、お話しします。
トレイルは、起伏ががある不整地をできるだけ早く走る競技。
特に、何が鍛えられるか?
- 上りを駆け上がるため、「身体を上方向にあげる筋肉群」
- 下りを転ばないように降りるため、「股関節、膝、足首を固定する筋肉、靭帯、腱
- 不整地を安定させるため、「体幹筋群とバランス感覚」
こんなところです。
今回の急な階段は、「身体を上方向にあげる筋肉群」と「体幹筋群とバランス感覚」の優れたAさんにとっては「問題なし」ということです。
しかし、トレイルランナーには、優れた部分がある一方、フルマラソンに関しては、相対的にスピードがないランナーが多くいます。
その原因は、簡潔に言うと、推進力に関わる筋肉群が弱いのと、VO2MAXやLTを刺激する練習が少ないからではないかと思います。
トレイルランは、体力をつけるためにはとても良い練習だと思いますが、走り方もコンパクトになりやすく、スピードも鈍る傾向にあります。
トレイルランナーがフルマラソンで記録を狙うには、トレイルとフルマラソン(特にスピード練習)のバランスが大事だと考えます。