ランナーのみなさんがケガをして病院に行くと、まず最初に「レントゲン」を撮ると思います。
そして、レントゲンで判らない場合は、「MRI(磁気共鳴画像診断)」、「CT(コンピュータ断層撮影)」のいずれかによる検査を受けると思います。
ところで、それぞれの検査にはどのような違いがあるのでしょうか?
各撮影の違いを知ることは、ケガへの早い対処につながるため、それぞれの特徴をまとめてみました。
<各撮影の特徴>
レントゲン撮影
レントゲン撮影とは、放射線を一方向から当て、フイルムに画像を焼き付け2次元画像を作る。ただ、一方向のため死角ができる。(わずかな被ばくあり)
CT(コンピュータ断層撮影)
CT(コンピュータ断層撮影)とは、多角的に放射線を当て、X線透過の差異をとらえて3次元画像を作る。多角的のため、死角ができない。レントゲン撮影で判断できない場合、使用する。(被爆量は、レントゲンの50~100倍)
MRI(磁気共鳴画像診断)
・MRI(磁気共鳴画像診断)とは、磁力と電波を利用して体内の水分に作用し、組織の断層を撮る。どんな方向からでも撮れる。(被爆はないが、検査に時間がかかるのと、狭い空間に入らないといけない)
<CTが得意とする組織、病態>
- 水分が少なくX線を透過しにくい組織
- 頭部、肺、腹部、骨など(脳出血、肺ガン、肺炎など)
<MRIが得意とする組織、病態>
- 水分の多い柔らかい組織
- 筋肉、関節、靭帯、腱、軟骨など(椎間板ヘルニア、肉離れ、靭帯損傷、半月板損傷など)
<まとめ>
ランニング障害の場合、とりあえず、骨に異常があるかどうかを確認したいときは、レントゲン撮影で良いと思います。
ただし、疲労骨折の初期は、レントゲンに映らない場合があるため、CTで判別できます。
さらに詳しく、腱、靭帯、軟骨の状態まで知りたい場合は、MRIが良いという事です。