最初に、「手根骨(しゅこんこつ)」と呼ばれる骨は全部で8つあり、「橈骨手根関節」「手根中央関節」「手根間関節」の3つの関節で、手首の動きを作り出しています。
「手根骨」の骨折は、一般的に手をついたときに、橈骨(とうこつ)からの外力が加わる延長線上の、舟状骨、月状骨に多く発生し、「有鈎骨(ゆうこうこつ)骨折」は、バットやラケット、クラブを握るスポーツ選手に多くみられます。
原因
「有鈎骨骨折」の原因は、バットをフルスイングしたときのファウルチップ時や、ゴルフスイングで地面を叩いた時など直接の打撲(グリップにあたる)による「骨折」と、繰り返しの外力による「疲労骨折」があります。右打ちの人は左手、左打ちの人は右手、下になる方の手を負傷します。
図のとおり、有鈎骨には「鈎(カギ)」と呼ばれる突起があり、この部分が骨折します。
治療
治療は、骨が付きにくいこと(血流が少ないため)、神経障害や偽関節(正常な関節の機能がなくなる)になりやすいということ、術後の復帰が明らかに早いという理由で、折れた骨片を取り出す「骨片摘出術」が多く行われています。
ある情報では、「有鈎骨骨折」を負傷したプロ野球選手の100%が「骨片摘出術」を受けると書かれていました。
ただし、スポーツ選手以外の一般の方は、安易に「骨片摘出術」を受けなくても良いとも言われており、慎重に考える必要があります。
清宮選手の場合、昨秋から患部に違和感を訴えていたとのことで、完全骨折する前に、すでに疲労骨折していたのかも知れません。
骨折後、すぐに「骨片摘出術」を受けており、完全復帰は3ヶ月後とのこと。
開幕前から絶好調だったので、非常に残念ですが、プロ野球ファンとプロ野球界のために、ここはしっかり治して、復帰後の大活躍を期待しています。