日本記録保持者「大迫選手」の出場と、MGC出場権をかけたレースというで、本番前からかなりにの盛り上がりを見せていた2019年の東京マラソン。
しかし、ふたを開けてみるとトップは外国人選手の2時間04分台と好記録にもかかわらず、日本人選手トップは2時間10分台と低調な記録に終わり、東京オリンピックに向けて不安を残す結果となりました。
日本人選手の記録が低調だった原因と対策を私なりに考えてみました。
雨が体力を奪った
気温は6度~10度くらいなのでベストでしたが、雨が選手たちの体力を奪い、記録につながらなかったと考えられます。
ペースメーカーが速すぎた
当初の設定では、
グループ① 2分57秒~58秒(2時間04分29秒~5分11秒)
グループ② 2分59秒~3分00秒(2時間05分53秒~2時間06分35秒)
ところが、グループ①の5K通過が14分32秒と1K当たり3秒前後速いタイム。その後、20Kまでは設定どうりでしたが、このレベルで3秒速いのはかなりきつい。
結局、グループ①で20Kまでついた大迫選手、佐藤選手、中村選手は、ずるずると後退してしまいました。
一方グループ②は、前半設定どおりペースが進み、後半ペースは落ちたものの、MGCの出場権を4人が獲得し、それなりに力を出すことができたのではないでしょうか。
ペースメーカーの正確性を高める必要があると思います。
日本記録にこだわりすぎていないか?
「先頭ペースについていかないと、日本記録は無理」ということで、無理をしてでもついていくというスタイルに、もちろん一つの意味はありますが、今回のように大崩れしてしまうとその意味も薄れてしまうのではないでしょうか。
東京オリンピックをひかえ、今は「日本記録」ではないと思います。大事なのは、安定して5分~7分の高いレベル走れることと、自分の力を出し切ることができる能力を高めることが必要だと思います。
なぜなら、東京オリンピックが真夏の暑い中でのマラソンだからです。
東京オリンピックでは、スピードよりも、駆け引きの力や、精神力、自分の力をコントロールできる能力が勝敗を左右すると思います。
ただし、スピードはあればあるほど優位です。
アフリカ勢(世界のトップ)とは、力の差がある
今回の結果からも、アフリカ勢とはまだまだ力の差を感じます。
東京オリンピックでは、力の差を認めつつも、
「暑い中でのレースである」「ペースメーカーはいない」「地の利がある」
など、日本人にとって有利な条件が整っています。チャンスは十分にあり、ぜひメダルを狙って欲しいと思います。