スポーツ障害と治療

ハムストリングスの肉離れ

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はじめに、ハムストリングスに肉離れが多い理由について説明します。

ハムストリングスとは、大腿後面の筋肉(半腱様筋・半膜様筋・大腿二頭筋)のことで、二つの関節(股関節・膝関節)をまたぐ二関節筋です。したがって、伸ばされながら(ももを上げる)収縮する(膝を曲げる)「伸張性収縮」という相反する力が働くため、肉離れが起きやすくなります。

実は、マラソンランナーの肉離れはふくらはぎが一番多く、ハムストリングスはそれほど多くありません。ただ、私の経験上“40歳以降または元陸上経験者”のランナーには多く、筋肉の柔軟性が低下していることと、元陸上経験者は昔の動きを記憶しているため、限界を超えた動きが原因になっています。

 

肉離れが起きるタイミングは、短距離選手のダッシュや跳躍選手の踏切時に多く発生しますが、マラソンランナーの場合、ライバルと競い合っている最後のラストスパートでよく起きます。

「ピリッと痛みが走った」時が、肉離れの瞬間です。

 

損傷程度

肉離れは、損傷程度により次の3段階に分けられます。

<軽傷>

筋線維の一部が引き伸ばされたもの。圧痛、運動時痛あり、ゆっくりならジョギングできる。

<中等傷>

典型的な肉離れ。筋膜の断裂、一部の筋線維の断裂。腫れあり、内出血がみられることが多い。ジョギングできない。

<重症>

筋肉の完全断裂。歩行、立位できない。

<治療と練習>

マラソンランナーに一番多いと思われる「軽傷」の場合について解説します。
※「中等傷・重症」は省略。

  1. 受傷直後2~3日間は、テーピングなどで圧拍し、一日数回アイシングをしてください。この間はジョギングは禁忌です。
  2. その後、軽くジョギングを開始。普段の半分くらいの距離をゆっくり(約1週間)。
  3. 痛みがとれてくると、日に日に自然とスピードが上がってきますが、徐々に距離とスピードを上げていきます。「徐々に」がポイントです。治ったと勘違いし、急にスピードを上げると再負傷します。(2~3週間)私も再負傷の経験者です。
  4. 患部の圧痛、ランニングやストレッチをして痛みがなくなれば、完治です。完治の目安は2~3週間。焦らないことがポイントです。

*2~3の間は、特に鍼治療とスポーツマッサージは効果あります。

 

 

 

 

 

 

 

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