運動生理学

ミネラルの話(鉄と亜鉛の関係)

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ミネラルとは、蛋白質・炭水化物・脂肪・ビタミン以外の必須元素(16元素)のこと。五大栄養素の一つであり、無機質とも呼ばれます。

日本では、そのうちの13元素(亜鉛・カリウム・カルシウム・クロム・セレン・鉄・銅・ナトリウム・マグネシウム・マンガン・モリブデン・ヨウ素・リン)を、食事摂取基準の対象として厚生労働省が定めています。

 

ミネラルは細胞内に多いものと、細胞外に多いものに分けられ、そのバランスが崩れると身体に悪影響を及ぼす場合があります。

ひとつの例として、貧血に苦しむ亜鉛不足のマラソン選手数名に亜鉛粉末剤を投与したところ、2ヶ月くらいでヘモグロビン量が正常に戻り、記録を更新したと言います。

 

鉄と亜鉛には、一方のみを大量に摂取すると片方が欠乏するシーソーのような関係があります。例に挙げたマラソン選手らは、長期間鉄剤を服用しており、亜鉛不足になっていたと考えられます。それでは、なぜ亜鉛粉末剤投与によって貧血が改善されたのでしょうか?

  1. 長期の鉄剤投与によって、胃や十二指腸の粘膜が傷つき、栄養(鉄)など吸収が阻害されていたが、亜鉛投与により粘膜の修復がはかられた
  2. 亜鉛がヘモグロビンを合成した

この2つの理由が考えられるようです。

骨粗しょう症についても、単にカルシウムのみ摂取するのでなく、細胞内にカルシウムが取り込まれないようにすることに目を向け、細胞内外のミネラルのバランスを整えることが大事だと言われています。

このようにミネラルは、互いに影響を及ぼしながら代謝される特徴があります。

 

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