冬の寒い時期、特に気温が2℃~3℃以下の環境下でマラソンの大会に出て、体が温まらず思うような走りが出来なかったという経験はないでしょうか?
実はその状態は、軽い低体温症の可能性があります。
低体温症とは、低すぎる外気温に長時間さらされるなどにより、通常37℃で保たれている直腸温が35℃以下の状態になることをいいます。体の中では、血液循環や内臓、神経、筋肉などすべての機能が低下し、当然運動パフォーマンスは落ちます。
ちなみに、普段みなさんが腋(わき)の下で計る腋窩温(えきかおん)は、直腸温より0.8℃低くなります。
それでは、どんなことに注意すれば低体温症を防ぐことができるのでしょうか?
冬のレース前や練習で気を付けたいポイントを、まとめてみました。
- ウォーミングアップを念入りにし、スタート前までの保温に注意する
- 温かい飲み物を摂取する
- できるだけ地肌をさらさない(特にマイナス以下)
- 手袋は、保温性の高いものをつける
- スタート時はウインドブレーカーなどを1枚余分に羽織り、身体が温まってきたら脱ぐ
大会の本番では、スタート時は身体が温まっていたのに、外気温がマイナス以下になると、走っていても身体がだんだん冷えていくことがあるので要注意です。この場合、スタート時に一気に薄着にならないことがポイントです。
そのほかに、手足・首・へその下を温めると、身体全体が暖かくなります。