スポーツ障害と治療

スポーツ性貧血(ヘモグロビンとフェリチンの関係)

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今まで長年マラソンに携わってきて、貧血でタイムが伸びないというランナーを数多く見てきました。その中で「貧血ではない」と診断されたのに、フェリチンの値が低いために、パフォーマンスが上がらないケースも多々あったので、今回、ヘモグロビンフェリチンの関係性について解説します。

なお、スポーツ性貧血とは、スポーツが原因となって起きる貧血のことを言います。

人体には、2~5gの鉄が存在し、血液にヘモグロビンとして60%~70%、肝臓・脾臓・骨髄などに貯蔵されている鉄分フェリチンとして20%~30%、その他筋肉などに分布しています。

そして、鉄不足の初期段階では、最初にフェリチンが使われフェリチン濃度が低下し、次の段階でヘモグロビン濃度が低下します。したがって軽い鉄不足の場合、ヘモグロビン濃度が正常なため、貧血と診断されないケースも少なからずあります。ヘモグロビン濃度が正常でフェリチン濃度が低い状態を、潜在性鉄欠乏性貧血(かくれ貧血)と言います

最近どうも体がだるく、タイムが伸びないというランナーは、一度フェリチン濃度のチェックをしてみてはいかがですか。

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