ランナーの誰もが、夏の練習がきついと感じていますが、体の中では、いったいどのような事が起きているのでしょうか。
人間の体温は、常時37度に保たれています。その理由は、人間が代謝活動をする上で酵素が最も効率よく働く適温が37度ということだからです。これより低くても、高くても、効率は悪くなります。
特に夏の練習は、体温が上がりやすく、体温を維持(下げる)するために、発汗を促す必要があります。そのため、大量の血流(水分あり)が皮膚の表面に近いところに集まります。よって、筋肉への血流量が低下し、酸素供給が追いつかない状態となります。
結果、筋肉への血流量を上げようとして、心臓はフル稼働、心拍数上昇、”練習がきつい”となるわけです。
一説では、マラソンスタート時体温37.0度、ゴール時体温39.0度近くまで上がると言われています。
次に、夏の練習が重要な理由は、低強度の練習で負荷がたくさんかかるため、上手く練習をこなすことができれば、心肺、筋肉、神経系まで練習の成果が出やすいからです。
それを感じることができるのは、気温が下がり始める秋以降。一気に練習が楽になり、力がついたと実感できます。
いわゆる反動現象です。
夏を乗り切ったランナーが、秋以降に時々大化けするのはこのような理由です。
ただし、夏の練習が上手くできなかった人は、気温が下がれば、練習は楽ですが、力はついていません。
夏の練習は、特別ゼミみたいなものです。
みんなで、頑張っていきましょう!