ランニング理論

カーボローディング論 ~実践編~

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前回「理論編」では、糖質(炭水化物)をため込む必要性について説明しました。今回「実践編」では、実際のやり方について基本となる2つについてお話しします。

まずこのカーボローディング、一度筋肉中のグリコーゲンを使い果たしてから、糖質(炭水化物)を摂取すると、前よりもグリコーゲンをたくさんため込むことができる特性を利用します。(※グリコーゲンとは、糖質(炭水化物)が肝臓や筋肉に蓄えられるときに、型を変えたもの)では実際にそのやり方についてす

その1

大会の1週間前から準備に入ります。まず、一度グリコーゲンを使い果たすために、一週間前くらいに10K~16Kのペース走(LTペース以上)などでグリコーゲンを消耗させ、低炭水化物中心の食事にします。次に3日~4日まえに再度刺激走(ここでは心肺にも刺激を入れる目的で、8Kジョック+2000M×1本など)を入れ、グリコーゲンを完全に枯渇させます。ここからは、一気にトレーニング量を減らし、低蛋白質・高炭水化物中心の食事に切り替え、グリコーゲンをため込みます。

その2

大会の2週間前から準備に入ります。食事は常に60%~70%を炭水化物から摂るようにして、トレーニングの量を減らし、筋肉をあまり使わないようにしてグリコーゲンをためる考え方です。しかし、このやり方は太りやすいので注意が必要です。

さらにここで、私が実際にやっている簡単な方法を紹介します。調整期の最終刺激をだいたい3日~4前に入れてから、低蛋白・高炭水化物の食事に切り替えるのみです。切り替えると言っても、ごはんを少し多くしたり、うどんやラーメンのメニューを多くしたりする程度です。ただ、前日の夕食と当日の朝は、炭水化物中心メニューにしています。このやり方なら、意外と簡単にできます。

ただ、生理学的に間違いなく効果はあると思いますが、私は正直言ってカーボローディングをしたから今日は後半バテなかったとか、特別調子がよかったという感覚は残念ながらあまりありません。効果を感じられるのは、調整をやりきった自信です。

最後に車で例えると、いくらガソリンを満タンにしても、エンジン・電子系・足回りなどがしっかりしていなければ、スピードは出ません。マラソン選手も一緒で、いくらグリコーゲンをためても、心肺が弱かったり、神経と筋肉の反応が悪かったり、筋力が不足していれば記録は出ませんので、しっかり練習してからカーボローディングしてください。

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