10月に行われたシカゴマラソンにて、大迫選手が見事、2時間5分50秒の日本新記録を樹立しました!
2018年2月の東京マラソンで、設楽選手が2時間6分11秒の日本新記録を更新してからわずか8ヶ月後の出来事です。
さて、二人の気象条件と走りを比較しながら、私の感想を述べたいと思います。
大会 | シカゴマラソン(大迫) | 東京マラソン(設楽) |
最高気温 | 18℃ | 8.9℃ |
最低気温 | 14℃ | 2.9℃ |
天候 | 曇り時々雨 | 曇り |
風 | 2.2m/s | 2.3m/s |
ラップ(5K毎) | ||
5K | 14分53秒 | 14分50秒 |
10K | 15分19秒 | 14分53秒 |
15K | 14分56秒 | 14分52秒 |
20K | 14分44秒 | 14分51秒 |
ハーフ・中間点 | 1時間3分04秒 | 1時間2分43秒 |
25K | 15分29秒 | 14分57秒 |
30K | 14分28秒 | 14分56秒 |
35K | 14分31秒 | 15分00秒 |
40K | 14分43秒 | 15分11秒 |
42.195K | 6分51秒 | 6分40秒 |
ゴールタイム | 2時間5分50秒 | 2時間6分11秒 |
気象条件は、シカゴは気温が少し高めだったが、雨が体を適度に冷やしてくれた。
東京は、常時8℃前後の気温でベスト。風は両大会とも無風に近い状態。
コースは、シカゴが平坦で鋭角なカーブがいくつもあるのに対し、東京は前半下りで、鋭角なカーブはほとんどなし。
以上を考えると、東京マラソンの方が有利であったと思います。
走りの特徴ですが、大迫選手は25K以降5Kのラップが14分20秒台から40秒台と一気にペースアップ。ペースの上げ下げがあるのに対し、設楽選手は終始14分後半から15分前半のイーブンペースで走っています。その結果、大迫選手は後半のハーフが前半より速くなっています。
どちらが強いというのではなく、以上のような特徴があります。
さらに、日本記録連発には、シューズがおおいに関与しているのも否定できません。
設楽選手は、ナイキ社の『ヴェイパーフライ4%』。大迫選手は、『ヴェイパーフライ4%フライニット』。
※フライニットは、キプチョゲ選手が挑んだナイキのサブ2プロジェクト「Breaking2」で使われたヴェイパーフライ4%の反省を生かした、改良品。キプチョゲ選手はこのシューズで、2時間1分台の世界新記録(ベルリンマラソン2018)をたたき出した。
シカゴマラソンでは、1位から5位までの選手がこのシューズを履いていたようです。いよいよシューズ開発にもAI(人工知能)が入ってきたか、という感じです。
今後、各メーカーのシューズ開発競争も、さらに激化の一途をたどるでしょうが、マラソン関係者は、ランナーが「履きたくても履けない」ことのないよう、常に公平公正性を考えて欲しいと思います。
前男子マラソン日本記録保持者「高岡寿成選手(2時間6分16秒)」が、もしこの『ヴェイパーフライ4%フライニット』を履いていたら、どんな記録を出していたのかと、思わずにはいられません。