NHKのスペシャル番組「東洋医学 ホントのチカラ (9月24日7時半放送)」という番組、「~科学で迫る 鍼灸・漢方薬・ヨガ~ はり・漢方薬を最新科学で徹底検証」という特集があり、視聴させていただきました。
特に気が付いた点をまとめ、感想を述べたいと思います。
<鍼について>
- 百会(頭のツボ)に打つと、「オレキシン」という神経伝達物質が分泌され、それが視床下部に働きかけ、ストレス軽減をはかる。(血液検査で証明)
- 飛陽(ふくらはぎのツボ)に打つと、神経から血流を増やす物質が分必され、結果、筋肉がほぐれる。(医療機器により血液量が増えるのを視覚で確認)
- 耳鍼で、前頭前野の血流量が増える(視覚で確認)。耳の噴門、神門のツボに鍼を打つと、食欲が抑えられる。(レぺチンというホルモン効果、血液検査で証明)
- 過活動膀胱(頻尿)の数十人に、会陰というツボに軽くローラーで刺激する(指でもOK)ことで、ほとんどの人に症状が改善された。(弱い刺激で自律神経の興奮を抑える、患者さんで証明)
- 逆子の妊婦さんに、三陰交というツボの刺激3回で、逆子が治った。(子宮・へその緒の血流量が増える。超音波で確認)
- 美顔鍼(顔のツボに鍼を打つ)によって、顔面の血流が良くなり、肌のツヤや張りが出る。また、老廃物を流し、むくみがとれる。(視覚で確認)
- ツボと言われる箇所には、神経と血管の分岐点がある。
<灸について>
- お灸の熱が、ヒストトキシンという毒素を出し、それを退治するために白血球が増える。
- 足三里というツボにお灸をすると、ヘモグロビン量が増える。
<ヨガについて>
- ヨガを行う事で、脳の神経細胞と密度が増加し(特に海馬)、ストレスが半減される。
<漢方について>
- 認知症の方は、神経細胞のミエリンが減少傾向にあるが、漢方薬「人参養栄湯」を服用すると、ミエリンを保護し、認知症を進行させない。
- 漢方「六君子湯」を服用すると、胃の調子が良くなる。さらに、サーチュイン(長寿遺伝子)が活発になり、傷ついた細胞を修復する。
- 体質改善、慢性疾患には、漢方がよく効く。
だいたい以上です。
結論は、西洋医学と東洋医学の融合が大事で、そのためには、東洋医学のエビデンス(根拠)をどんどん積み上げていかねばならないという事でした。
私が鍼灸免許を取得したのが、今から23年前。確か同じことを言っていました。正直23年間で「ここまでしか進んでいないのか」が実感です。
確かにエビデンスを積み上げていくのは大変かもしれませんが、私が思うには本当の原因は他にあるように思います。
ただ、今回NHK番組にこれだけ多くの時間を費やしていただけたことは、我々鍼灸師にとっては、非常に喜ばしいことです。少しでもみなさんのお役に立てるよう、自己研鑽していきたいと思います。