運動生理学

乳酸は疲労物質ではない

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乳酸と聞くと、私たちの世代(40代以降)の人はほとんどの人が「疲労物質」「老廃物」をイメージすると思います。しかし、最近の研究により、乳酸は糖を利用する際に生成されるもので、疲労回復に関わる重要な「エネルギー源」であることがわかってきました。

また、運動中には速筋線維で乳酸が作られ、遅筋繊維や心筋でエネルギー源として多く使われていることまでわかっています。

さらに、LT(乳酸性作業閾値)については、以前は酸素が足りなくなる事が一気に乳酸が増える原因だと考えられていましたが、現在はLTから急に糖を多く利用することが原因だとわかってきました。実際に、LTから速筋繊維が使われるようになることや、糖利用を高めるアドレナリンが多く出ることが証明されています。

しかしながら、「疲労物質」と「エネルギー源」とでは、まったく真逆の結論です。人体の謎はまだまだ解明されていませんね。

ちなみに、乳酸と乳酸菌の違いですが、乳酸は「エネルギー源」、乳酸菌は「糖を餌にして乳酸に変える細菌の総称」で、生き物です。

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