よく治療に来たランナーの患者さんから「練習してもいいですか?」と聞かれることがあります。
基本アスリートは練習をしながら治していきます。
なぜか?
それは、できる限り身体能力を落とさないためなのはもちろんのこと、モチベーションの維持にも大きく関与するからです。
特にマラソン競技の場合、ほとんど毎日が練習です。1週間以上も完全に練習を休んでしまうと、復帰の時になかなか気持ちのスイッチが入りませんし、いかんせん太ってしまいます。みなさんもご存知の通り、この競技は太ってしまっては負けです。
それでは、故障したときにはどんな練習をすればよいか?
故障の程度にもよりますが、基本はゆっくりジョックかウォーキングです。負荷の目安は「翌日に痛む箇所が悪化していないこと」これが大事です。練習を休むことができず、やりすぎて故障を長引かせるケースや、反対に休みすぎて、まんまるに太ってしまったケースも多く見てきました。そこは、自分の感覚が頼りになります。ジョックもウォーキングもできない人は、水泳がお勧めです。
また故障中は練習と食事のバランスを考えなくてはいけません。当然、練習をそれほどしていないわけですから、低タンパク、低カロリーにして、出来るだけ太らないようにすることが大切ですが、2~3キロくらいの増加はそれほど気にしなくても大丈夫です。むしろ大事なのは、故障して目標を見失ってしまわないことです。
強くなれる選手というのは、どんな状況でも「目標を見失うことなく、モチベーションを維持できる人」です。さらに、強い気持ちが免疫系に働きかけるのか、不思議と故障も早く治ります。