スポーツ障害と治療

ランニングによって筋肉の質が変わる

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今日は少し専門的になりますが、筋肉の話をしたいと思います。筋肉には速筋繊維(短距離向き)、遅筋繊維(長距離向き)、中間筋繊維(速筋・遅筋の両方の性質を持つ)の3種類があります。

それぞれの特徴は読んで字のごとく

  • 速筋繊維は「スピードは出るが疲労しやすい」
  • 遅筋繊維は「スピードは出ないが疲労しにくい」
  • 中間筋繊維は「スピード・疲労とも中間」

です。

実は、この3種類の筋肉繊維の性質や割合がマラソン練習によって変化します。一番の変化は速筋繊維が中間筋繊維に変化します。また、中間筋繊維に変化しなかった速筋繊維も、より中間筋繊維に近づきます。LTペース走やスピード練習では、遅筋繊維の収縮スピードが速くなることや、速筋繊維の持久性が高まることもわかっています。ただ、遅筋繊維の割合は生まれた時に決まっており、他の繊維への変化はありません。

これらのことを考えると、生まれた時にある程度マラソンの素質は決まっているように思われるかもしれませんが、性格や環境などによって大きく左右されるため、一概には何とも言えません。ただ、中学生になるころには、適性があるかどうか判断できます。

いずれにせよ、マラソン練習をすると「筋繊維の周りの毛細血管が増えて、疲労しにくい筋肉の割合が増大する」ということです。きっと、速い人は「赤身の筋肉」が多いと思いますよ。

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